-------日本歴史の重要なルーツ-------
福岡の西隣・糸島半島からのWEBエッセイ
 

博多湾の糸島半島側から見た志賀島


連載17
「前原市文化財ボランティア養成講座」
に参加して

 

 2002年の秋から翌年の初夏にかけての入退院の時期が過ぎてからしばらくの間、我が家の池で悠々と泳いでいる錦鯉(金色の鯉は体長80センチほどにデッカクなっていた)を見ながらポテトチップを賞味する毎日だった。
これはこれで幸せだなあ・・・?
このように自分を無理やり納得させていた。
それはブルーの洒落たパッケージの煙草「Parliament」を忘れるためでもあった。

 そのような呑気な日を送っているだけではと反省し始めていた時に、2003年7月19日から2004年2月にかけて「前原市文化財ボランティア養成講座」が開講した。
1987年7月開館した「伊都歴史資料館」が
2004年10月に「伊都国歴史博物館」としてリニュアルオープン。これにともなう企画講座だった。
前原市の教育委員会は30名程度の参加者が続けばよいが?と予想していた
ところ、初回で70名。しかも、12回の講座に8回以上出席すれば、終了証書を授与するという条件を果した受講生は72名!
そこで、受講生同士得手不得手を話して、補い合おうよということになった。講座のオープニングパーティーは酒抜きのおにぎり立食形式だったが、この話で大いに盛りあがった。

 この辺りは日本の歴史のルーツ・伊都国。東は奴国(なこく今の福岡市)、西は末盧国(まつろこく・今の唐津付近)。唐津の西は今の長崎県北松浦郡または佐賀県東、西松浦郡。「まつうら」は「まつろこく」に由来するのか?と思いたくなる。

 博物館のエントランスのわれわれ老夫妻の後の壁面に見える赤いところが伊都国。
ここで、福岡県佐賀県の地図を見ていただければ幸い。



伊都国歴史博物館エントランスの地図の前で
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福岡空港から地下鉄で博多駅、天神へと西に向かって、JR筑肥線との相互乗り入れ駅・姪浜(めいのはま)へ。さらに西へ元寇防塁(げんこうぼうるい)の遺跡のある生の松原(いきのまつばら)に沿って海沿いの長垂山(ながたれやま)のトンネルを貫けると古代伊都国に入る。
右手に美しい青緑の海に九州地震で大きな被害をうけた玄海島が見えると、今宿(いまじゅく)に着く。
この辺りから左手に佐賀県との県境に西に連なる900m前後の雷山(らいざん・955m)山系が見え、右手に地元で女天(にょてん)と言われている柔和な姿をした天が岳(てんがたけ・260m)、その西に火山、ご当地自慢の糸島富士・可也山(かやさん・365m)が見える。これらの柔和な山々に抱かれて新しい九州大学のキャンパスがある。
このような山並の向側が玄海灘。新駅「九大学研都市」というユニークな名前の高架駅が出来ている。その西が周船寺(すせんじ)。その次の波多江と周船寺の中間に南北の垂線を引くと、北は九大、南は伊都国歴史博物館。その線上の中心に我が家がある。
次の駅が前原(まえばる)。「原」をすべて<バル>と発音するのは韓国語で<パル>と発音することから来ているとのこと。前原から海岸の砂が綺麗過ぎて、キュキュという鳴き砂の浜「姉子(あねご)の浜」の傍を通って、そのすぐ西の鹿家(しかか)まで、東の今宿までの東西24km、雷山山系を背にして、玄界灘に突き出たような志摩半島の南北16km。
この地域が日本の歴史の重要なルーツとして輝かしく栄えた伊都国であった。

 2004年の春のおにぎりパーティで盛りあがった博物館ボランティア、いや、熱っぽい志願兵たちはその憲法と会則づくりに取りかかった。すると間もなく10月28日に新博物館がオープン。その翌年、2005年5月22日、伊都国歴史博物館ボランティアの会を設立したのだった。会員の年令は若くはないが、ハートは若い。そのためか、全体の雰囲気に生気がある。嬉しい!


伊都国歴史博物館の前で
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 博物館に常設されているものについて特に感動的な文化財を私なりに皆さまに追々お伝えしていきたい、そして、ごいっしょに味わうことができれば……。

 次回にお話したいことについて皆さまに一枚の写真をお見せしておきたい。長年可愛がっていた?鯉がまつかさ病にかかったらしく死んでしまった。
盛土に植えてあるローズマリーの傍に埋葬したが、不安で、空しく、悲しく、ふと思いついて40 cm×28 cmの美しい石とそれを支える同じ色の石を買ってきて墓碑を作ってみた。しかし、2、3ヶ月後に・・・。

(つづく)




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KITANE.Hajime
北根 肇 コピーライター、エッセイスト
1926年4月25日生
〒819-1102 福岡県前原市高田297-9   TEL:092(324)7297 FAX:092(324)1182
e-mail : kitane@jc5.so-net.ne.jp
●日本美学会、民族芸術学会、日本旅行作家協会会員
●京都大学文学部哲学科美学美術史専攻卒。
●専門分野:美術、デザイン(建築一般・キリスト教の教会建築・家具インテリア・商品一般 )、鉄道、香水、自然環境・都市空間の景観、文化的所産の民族的・歴史的背景。
●得意エリア:日本(とくに古代伊都国)とヨーロッパ。
●著書:『現代芸術七つの提言』共著『世界の香水』『ルイ・ヴィトン独創への共感』の編集ほか海外取材記事多数。
●趣味:旅行、鉄道模型(0ゲージ)、鯉の飼育、現在市販されていないもののコレクション(蓄音機、SPレコード、手動計算機、蛇腹式カメラなど)。


 

伊都国通信は隔月掲載の予定です。
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