博多湾の糸島半島側から見た志賀島

連載5 糸島は日本屈指のイチゴ王国 

 き通 ってコリコリしているイカの刺し身、おいしい赤米ごはん、それに加えて今が旬 のイチゴなどなど食い放題できるのが、ここ糸島。間もなく沈丁花の花が香り始めるだろ う。そのころには、あちこちのイチゴ畑から独特の甘い香りが漂ってくる。そのイチゴはもう東京や京阪神に届いているはず。「とよのか」というイチゴがそれだ。豊かな香りのイチゴということからきているブランド名らしい。東京で暮らしていたころはそうとは知 らずに食べていたが、細君が『いつも食べていたのが、この「とよのか」だったわ。その産地に来て賞味できるなんて・・・・』とビックリ興奮。それにつられて飲兵衛のボクも この「とよのか」をデザートによく賞味するようになった。


 ューシーで新鮮な甘い香り がいい。しかもビタミンCが豊富で、一日3個で十分だということだから読者の皆さんの 健康のためにもぜひお勧めしたい。 この糸島のおいしいイチゴは、昭和60年ごろに品種改良されて以来、ヒットし続けているとのこと。もちろんハウス栽培されているから、ほぼ年中楽しめるが、そのまま生で 食べておいしいのは、10月から翌年の5月まで。糸島地域では、この1月から5月までの間に1,450トン出荷される予定。1パック300gだから、およそ500万パックということになる。1パックの市価は500円ぐ らいだろうか。5月ごろになると、半額ぐらいになる。その売上高は16億5000万円 になる (JA糸島推計)。 糸島産「とよのか」の生産は八女地域に次いで2番目に多い。 その出荷先のトップは京都を中心とする関西、東京を中心とする関東地域。全国的には、 栃木県についで福岡県はNO.2。イチゴ王国たる所以である。

 

 の辺りは、日本のみならず世界的にも有名な渡り鳥のターミナル・ステ−ションといわれるだけあって、瑞梅寺川が今津湾に注ぐ豊かな干拓地帯があり、2万年前の化石とい われるカブトガニが毎夏産卵にやってくるというすばらしい環境である。糸島半島の東側3分の1が福岡市西区になっていて、イチゴ狩りや野菜づくりを楽しめる「市民リフレッシュ農園」をご紹介しておこう。昨年の春に孫たちを連れてイチゴ狩り に遊びに行き、孫たちが大いにはしやいだことを思い出して、しばしば訪ねている。今回気がついたのは、車椅子でもイチゴ狩りができるように工夫されていること。写 真のように、車椅子に座ったままで採れるように高くなっている。

最盛期には赤い毛氈を張ったようになるとのこと。人気上々という。全部イチゴ狩り用に栽培されていて、商売として出荷しないという福岡市・(財) 福岡市森林公社の方針で運営されている。1本のイチゴの苗木は、1房ずつ実り、35個ほど実るが、実が小さくなるので、実が できるまでに半分ぐらい間引く。そうすると適度な大きさの実になる。この最初に実った1房のことを1番か(花あるいは果 、現場のおじちゃんは、かんと言って字は知らないと 主張なさる)という。1番果 だとしておこう。同じ苗木に繰り返し5回ぐらい実るとのことである。5番果 ぐらいで1本の苗木が終わる。1房で15個実るとして、×5回で、計75個の実が1本の苗木にできることになる。  

 チゴは英語でStrawberryというが、中学生になったばかりの英語の時間で 発音がむつかしく覚えにくくてモタモタしていたら、「君たちは七郎兵衛と覚えておけ」 と言われたことを思い出す。それは余談として、berryはblueberryで小さ な果実の意味であることは容易に判る。strawには困った。「わら」ではおかしい。 手元の英英辞典を診て、「小さくても価値あること、あるいはもの」を意味することを見つけて、小さなイチゴの一粒一粒を大事に、しっかり賞味しなければと悟った次第。飲兵衛から七郎兵衛へ転向せよとの天からの声かもしれぬ が・・・・・・。


※写真はすべて福岡市民リフレッシュ農園で筆者撮影  
※福岡市民リフレッシュ農園 092−806−2565  
※JA糸島アグリ営農総合センター園芸振興課 092−327−0436

KITANE.Hajime
北根 肇 コピーライター、エッセイスト
1926年4月25日生
〒819-1102 福岡県前原市高田297-9   TEL:092(324)7297 FAX:092(324)1182
●日本美学会、民族芸術学会、日本旅行作家協会会員
●京都大学文学部哲学科美学美術史専攻卒。
●専門分野:美術、デザイン(建築一般・キリスト教の教会建築・家具インテリア・商品一般 )、鉄道、香水、自然環境・都市空間の景観、文化的所産の民族的・歴史的背景。
●得意エリア:日本(とくに古代伊都国)とヨーロッパ。
●著書:『現代芸術七つの提言』共著『世界の香水』『ルイ・ヴィトン独創への共感』の編集ほか海外取材記事多数。
●趣味:旅行、鉄道模型(0ゲージ)、鯉の飼育、現在市販されていないもののコレクション(蓄音機、SPレコード、手動計算機、蛇腹式カメラなど)。

 
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伊都国通信は隔月掲載の予定です。
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