Vol.15[某月某日 ペッパー軍曹の内袋-4](座談会その2)

(その1)(その3) (その4)(その5)

いがみ合っている内に終わっちゃったけど(前回参照) 今週は大丈夫かなあ・・・
でも、けんけんがくがくと話している内に、当時のことがいろいろ思い出されてきました。苦し紛れに始めたけど、対談形式って正解かも・・・

対談者 PROFILE

ペ氏
ペリカン編酋長
血液型:A
星座:山羊座

リ氏
理屈っぽい
血液型:B
星座:水瓶座
カ氏
癇癪持ち
血液型:AB
星座:乙女座
ン?氏
気が弱い?
血液型:O
星座:双子座



●ラテン・トランペット・デラックス
ペドロ・サヴァラのメキシカン・オーケストラ

マラカス握りしめた女性を見上げるアップの写真のジャケット。 この人がペドロ・サヴァラではなさそうね。
収録曲の「キサス・キサス・キサス」「ベサメ・ムーチョ」は有名ですよね。
嫌いでもないが、好きでもないってやつですか・・・

●クロード・チアリ・デラックス
(ギター)クロード・チアリ

何となくスペイン人かイタリア人かと思っていたけど、フランス人なんだ。ギターにだまされちゃう?(笑)
「夜霧のしのび逢い」の作曲者なんですねえ。
彼の個人サイトのプロフィールを読むと、11歳から独学でギターを初め、16歳でロックバンド「レ・シャンピオンズ」を結成。ビートルズが前座を務める程の人気を得る、と書いてます。
すごいねえ。「ペッパー軍曹」の内袋に彼のジャケットが印刷されるのも因縁ですなあ。
64年に「夜霧のしのび逢い」
を発表して、世界的大ヒットをします。この内袋のアルバム6枚にこの曲がクレジットされてます。メランコリーなギターのメロディーが日本人好みですね。
ムード歌謡にも聞こえるしね。
結局、日本人の奥さんと結婚して活動の拠点を日本に移し、演奏だけでなくタレントでも活躍するようになります。お子さんもお父さんの後を継いでますね。
やさしい顔してるよねえ。日本人の奥さんもらうガイジンさんってみんなやさしい顔してるよね。
で、こういう人の奥さんてもの凄くキツイ性格してんですよね。

そうそう、「だいたい、日本の男はね・・・」なんて睨まれる・・・
身に覚えがあるんですか?

・・・・・

●ペペ・ハラミジョ・ラテン・デラックス
ペペ・ハラミジョと彼のラテン・アメリカン・リズム

ここにも「キサス・キサス・キサス」「ベサメ・ムーチョ」が収録されているね。ペペ・ハラミジョって聞いたことないので、コメントしようがない。
ハイ、次!

●ナット・キング・コール・デラックス
(唄)ナット・キング・コール

ふふふ、このアルバムに早くたどり着きたかったのよ。今週はこれ一枚語り尽くして終わりたいくらい。ぼくは同じ東芝から出ているベスト版を愛聴しているけど、聞き飽きないし駄作がない。ビートルズ登場以前のPOPSの到達点です。まさに、スタンダード。
キング・コールは65年、45歳の若さで肺ガンで亡くなります。ベルベット・ボイスというハスキーな唄声で魅了しましたが、そのハスキーな声を出すために、たばこを猛烈に吸って喉をつぶしたんですね。それが裏目に出ちゃいました。
ハスキーで深みのある声だけど黒人独特のコブシを利かせないで、さらりと唄う。同時期に活躍したレイ・チャールズはゴスペルの臭みを取り込んで成功したけどね。一部の黒人運動家には「やつは日和っている」て言われた。
50年代には白人の差別主義者に殴られています。この時代の黒人アーティストは、マイルス・デイビスも似たような事件を起こしているし、いやでも、難しい立場に立たされる事になります。
でも、あらためて彼の唄を聞いていると、そういう政治的な意味づけは見当外れだし超越しているよね。ぼくがPOPSを聞き始めて、リアルタイムに遭遇した彼のヒット曲は「ランブリング・ローズ」「L・O・V・E」だけど、このメロディーはめちゃめちゃ単純だよ。当時流行のフォークソングのような単純な循環コードにそって、難しいこともせずメロディーを素直に唄っている。それでもいまだに聞き飽きないって凄い!主義主張ではなく、「こういうふうに唄いたいんだ」という気持ちが伝わってくるし、彼の唄ってる時の心地よさにこちらが乗せられちゃう。ここまでの境地に達した歌手はあまりいないと思うなあ。

それと、彼の唄を語るときに欠かせないのはアレンジャーのネルソン・リドルですね。
そう、この人にはまた別の長い物語があるよね。
資料的に言うと、50年頃キング・コールに誘われてキャピトル・レコードにアレンジャーとして参加。「モナ・リザ」「トゥ・ヤング」「プリテンド」「アンフォゲッタブル」とミリオン・セラー連発します。
ぼくは「シャボン玉ホリディ」のエンディング、ザ・ピーナッツとはな肇のコントのバックに流れる・・・
「スター・ダスト」ですね。
あれは、ネルソン・リドルのアレンジではないようだけど、キング・コール+リドルの一連の路線だね。懐かしくて、ドラマチックで、ゴージャス・・・リズムも唄い方も決して激しくはないけど、一種桃源郷を思わせるオーケストレーションの背後に、起伏のあるドラマ性を感じる。
このアレンジに目を付けたのがフランク・シナトラで53年にキャピトル・レコードへ移籍して、リドルにアレンジを任せます。
アイドルからの脱皮に苦しんでいたシナトラが、大人の粋なジャズ・シンガーに変身できたのもリドルのおかげだよ。(マイ・ウェイではないよ、念の為)シナトラ一家のディーン・マーティン、サミー・デイビスJNもリドルのお世話になっている。
これだけで終わらないところが、この人の凄いところで、61年のJ.F.ケネディ大統領の就任式の音楽監督、85年には、ロナルド・レーガン大統領のために、再び就任式の音楽監督をつとめています。映画音楽では「華麗なるギャツビー」(74)が話題になりました。
あらゆる所に顔を出してメジャーな結果を残している。現代で言うとスピルバーグ映画のほんとんどのスコアを書いているジョン・ウィリアムスのような存在かなあ。
そしてロックの歌姫リンダ・ロンシュタットのスタンダード・アルバムに協力してヒットさせました。
ぼくはテープで持っている。今聞き返してみると、キング・コール、シナトラの深みには負けるなあ・・・スタンダードのスタイルに合わせちゃってる。こうなると、リドルの懐かしさが、甘さになっちゃう・・・雰囲気はあるけどね。
でも、これは80年代なかばのリリースですよ!
そうだねえ・・・結局、リドルは40年近く第一線で活躍している。アメリカンPOPSを支えた巨人だよね。
キング・コールからアレンジャーの話しに移っちゃったすね・・・

POPSでスタンダードに対するアレンジャーの役割って重要だよ。ぼくなんか、無意識に心地よさを感じるスタンダードのサウンドは、ネルソン・リドルのスタイルになっている。幼児期に刷り込まれたパターンをずっと追いかけているような気がする。
数年前には娘のナタリー・コールがお父さんの唄にだぶらせてデゥエットアルバムをリリースして話題になりました。
「アンフォゲッタブル」忘れ得ぬ君・・・ということかな。今でも愛されている、永遠のPOPスターだね。
Z Z Z Z Z Z・・・・・
ありゃりゃ

(カ)さん!起きてくださいよ・・・
話が長すぎたかなあ・・・つい夢中になっちゃって。でも、起こすとうるさいから、静かに次に行こう。
ハイ、次!(笑)

●ジョージ・シアリング・デラックス
ジョージ・シアリング・クインテット

赤いバラを持ったフラメンコダンサーみたいな女性がいるけど、フラメンコではなくジャズのアルバムですよねえ・・・
盲目の白人ジャズピアニストだね。同じ盲目の白人ジャズピアニストで、レニー・トリスターノって気むずかしいカリスマがいるけど、このアルバムには当時流行のPOPSがクレジットされてるから、東芝はジャズと言うよりPOPSの位置づけでこの内袋で紹介したのかも。聞いたわけじゃないけど、ジャケット写真といい中途半端な感じがするねえ・・

ハイ、次!(笑)

●狂熱のラテン・デラックス
タラガーノと彼のオーケストラ

また、ラテンか・・・
今週は内袋の2段目を紹介していますが、ここに3枚のラテン・アルバムが集中しています。

どういうわけか、嫌いということではなくローカルな感じがして興味がもてないんだよねえ・・・
お隣、カリブの音楽は好きなんでしょ?
ハリー・ベラフォンテ、レゲエのジャマイカ。サルサのキューバとかね。ちょっと乱暴だけど、メキシコあたりのラテンミュージシャンはニューヨークとロンドンを目指してないよね?事実かどうかは別にして、そういう印象を受ける。
ははあ・・・ロックとジャズのにおいがしないということですか?
これ話し出すときりないんで、またの機会に譲るけど・・・あくまでも優劣ではないですよ。
ハイ、次!(笑)

●ペギー・リー・デラックス
(唄)ペギー・リー

うわあ!また濃い顔が・・・
なに?
うわ!起こしちゃった・・・
♪ジョニー・ギター・・・♪ってメランコリーでハスキーな声は忘れられないねえ・
・・
ヴィクター・ヤングが作曲した映画『大砂塵』のテーマ曲「ジョニー・ギター」(54年)は日本でも大ヒットしています。40年代は本格的なジャズ歌手として活躍し、50年代にPOPSでヒットを出す。ディズニー映画の「わんわん物語」に声優で出ていたなんて・・・今まで知りませんでした。
02年死亡だから、去年まで生きていたんだねえ・・・
亡霊みたいに言うなよ!
大スターは活躍してないと、いつの間にか死んでることになっちゃいがちですねえ・・・(笑)
なんだい、今週のオレのことかい?
・・・いえ、そんなことは。

来週は出番がたっぷりあるって言われてるんだ。首洗って待ってろよ!
ん?


以下次号



 
 
 
 

 
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