隔月連載 vol.8

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色彩に欠けたこの季節、
寒さに対する覚悟はまだ甘い。
うっかり何度も風邪をひいたりする。
夜明けは遅く、日没が早い。
朝、ふとんからからだをひっぱがすのに苦労する。
夕方4時には薄暗くなり、一日の活動を終えて眠ってしまいたい気持ちになる。
ねむねむのだるだる。そんな感じ。
天気図にはずっと低気圧マーク。
中国大陸上空の高気圧にちょっと北海道まで移動してくださいと
お願いしたい。
寒い日には暖かい部屋の中にずっといたい、、。
でも、そんな気持をふっとばしてくれる楽しいところがある。
旭川市の旭山動物園。
冬期は3時間だけの開園。
これで充分、長くいると見に来た人間が冷えきってしまうだろう。
冬のアイドルは、虎にライオン、黒豹、クマ。
そしてぺんぎんとホッキョクグマ。
地上でじっとしているか、よたよたしているようなぺんぎんが
水中では驚くほど早く、楽しげに泳いでいる。
一頭はお愛想振りまき、
どうしたら観客が喜ぶか知っているようなホッキョクグマ。
もう一頭はふんって小さな鼻息が聞こえてきそうな冷めた態度。
は虫類、両生類は冬眠しているのか。ぞうやきりんもお休みのようだ。
動物園のクマは冬眠しないの?
どうして同じアフリカ生まれのきりんはお休みで
寒さに縮こまっているライオンはお休みさせてあげないの?と
質問したくなる。
2頭づつ、計4頭身を寄せてちぢこまるライオンをみていて
赤道直下の地からつれてこられて寒さにすぐ適応できるのかなと
つぶやくと、日本で生まれたライオンだよと笑われた。
野生ってだんだん失われていくのかな。
JR石北本線で帰路についた別の日。
一両編成のディーゼルカーは高校生でにぎやかだ。
この子たちはどんなこと感じて生きているんだろうか
この年頃自分は何考えてたんだろうかと、
なんとなく息苦しかったあの頃を思い出していた。
少し前にみた松本大洋さん原作の映画「青い春」
(http://homepage2.nifty.com/Film-Makers/ 
痛く切なくちょっと怖い、でも胸に残っている。)の影響もあって思考が暗くなっていた。
先行の列車が蝦夷鹿とぶつかったとアナウンスが入り
乗っていたディーゼルカーがしばらく停車した。
やがて無事愛別町の駅に着き、ばらばらと数人が降りる。
高校生たちにはお迎えの車が次々ときて、
石狩川の上を歩いてわたるのはわたしだけだった。
夜の風景を独り占め。
暗い川をのぞき込んで、
人間も野生の感性を失っちゃいけないなんて考える。
表現するものとして暗さも描けるようになりたいなんてことも考えた。
ぼんやり考えていたら、交差している側の青信号をみて横断しようとして
トラックに轢かれそうになった。
野生どころか、普通の注意力さえ失っている、、。
あの鹿、どうしたかな。

追記
旭山動物園にきたら
動物以外にぜひみていただきたいのは
動物紹介のイラストレーション、ペンギン館、
ホッキョクグマ館のロゴです。
確認はしていないのですが
あべ弘士さんが描かれたと思います。
わたしはいつもペンギン館内のペンギン紹介の絵に圧倒されます。
力強く、かっこいい。ペンギンに対する愛も感じます。
描き文字のロゴも味があって、和みます。
ちょっと憧れて、ペンギン描いてみました。
左のペンギンはエネルギーの消耗をふせいでいるのでしょうか。
首を縮めて足を全部地につけずにぴよっこと上げています。
このポーズ、寒がりのわたしは共感を覚えます(笑)。


 


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